西原特定土地区画整理事業内公園 実施設計・設計監理
2007 / 埼玉県志木市 / 造園
  西原特定土地区画整理事業は、1969年に土地区画整理区域の都市計画決定がなされ、1984年より、組合施行として事業が進められています。(事業区域37.8ha)
 区画整理では「自然と調和した快適なまちづくり」を基本目標とし、そのシンボルとして5カ所の公園が位置づけられています。
当社は、この5公園の実施設計と設計監理を担当しました。

○西原特定区画整理事業 公園整備の考え方

 新しい街の、暮らしの歳時記の中で、緑を介在する多様な活動を支援する公園として整備を行いました。
各公園は、西原地区の中で親しみを持って、利用いただけるよう、四季をテーマに特徴をもった公園づくりを行っております。


・公園整備のテーマ   

 『みどりと台地と四季の公園』 =季節が誘う公園づくり=

このまちに集う人々は、環境に配慮した取り組みを通して、個性を大切にしたライフスタイルを実現し、それを誇りとして感じることのできる街づくりを目指します。


○公園別コンセプト
 各公園は、季節の変化を楽しむ植栽や施設整備を図りつつ、特にテーマとなる季節を定め、特徴と愛着を持てる公園整備を行っています。
 また、地域住民の交流の場として盆踊り等の地域イベントができる広場を中心に配し、どこからでも利用できる地域に開かれた空間整備を目指しています。
 自然の樹林地を生かした第3公園を除く各公園では、まちづくりの安全安心のシンボルとして、ベビーベッドを備えた多目的トイレを整備するほか、災害時に備え防火水槽、雨水貯留槽、かまどスツール、災害用マンホールトイレ等を整備しています。


・第1公園<春をテーマとする公園整備>(1,100u)
 既存のソメイヨシノを活かし、お花見が楽しめる公園として整備しています。
中心部は、地域のイベントとなる芝生広場を整備します。
広場北側には、縁台風のデッキを配し、日々の憩いや語らいの場となり、イベント時には観客スペース、お花見の際は集いの場として利用します。

・第2公園<冬をテーマとする公園整備>(1,203u)
 街路の辻に立地する公園として、シンボリックなファサードを持つ公園づくりを行っています。
ここでは、整形な敷地を活かし、内部を取り囲む回廊パーゴラが、外からはゲートとして、また内部では語らいの空間やイベント時の観客スペースとして活用します。
中心部は、遊びやイベントの空間となる芝生広場を配し、西側交差点部には、クリスマスツリーとしてドイツトウヒを植栽しています。

・第3公園<みどりと台地の公園><(7,108u)
 台地斜面に残された既存樹林は、新しい街に郷土の面影を残す重要な緑です。
この樹林は季節感のある明るい林として保全継承します。また、地域の貴重な斜面林としてその拡大に努め、造成法面へ雑木とともに花木を積極的に植栽しています。
傾斜のある敷地を円滑にそして緑に親しみながら散策できる園路を整備し、地域の新たな生活動線を整備します。

・第4公園<秋をテーマとする公園整備><(848u)
 細長い敷地を活かし、花や紅葉が連なり、奥行き感のある景観を創出します。
 芝生広場の両側に、紅葉の美しいモミジ類やサクラを植栽し、紅葉やお花見をゆっくりと楽しめる庭園的な整備を行います。 くつろぎの場としてシェルターや縁台風のデッキを配置します。
【植栽の考え方】
庭園風の構成として、モミジ類やサクラをランダムで変化を持たせた配植とし、その下段、中低木には季節の彩りを与える樹木を植栽します。
また、東側には近隣住宅の要望をふまえ、プライバシーに配慮した生垣を植栽します。

・第5公園<夏をテーマとする公園整備>(1,197u)
 街路の辻に立地する公園として、賑わいが感じられる公園づくりを行います。
 ここでは、水遊びの噴水を中心に、くつろぎの場としての芝生広場や大きな日陰を提供する大型パーゴラを整備します。
広場は、芝生と舗装空間で変化のある構成とし、噴水が停止している間は、まとまった広場として活用できます。
【植栽の考え方】
夏季を中心に広場を彩るサルスベリを列植します。
公園南西側は、季節の彩りを与える樹木を植栽し、近隣住宅地へのプライバシー配慮とともに開かれた公園に背景を形成します。

 設計・監理協力:デザインアトリエ 坂庭 真理生